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犬の皮膚のpHに関するお話し。
2014 / 12 / 04 ( Thu )
当店ではシャンプーの後に必ず弱酸性のお水を全身にかけています。
また、使用しているシャンプーはできるだけ弱酸性のシャンプーを使用しています。
それには理由があるからです。


人の肌は弱酸性!
CMでやっていたりするので、よく知られていますよね。

では、犬は?
犬の皮膚のpHは??という質問・・・
そこには議論があります。獣医さんのなかでも大きく意見が分かれています。
酸性という人もいれば、アルカリ性という人もいます。

私の見解は、どちらでもありません!!!
皮膚にはpHは無いからです。!!!!!


これだけでは誤解をうんでしまうので、その説明をします。


そもそもの質問が間違っていて、
皮膚のpHではなく、皮膚はどのpHで安定するか?
というのが正しい質問です。
そして、その答えは
犬の皮膚は弱酸性領域で安定する。

これが正しいやり取りです。


そもそもpHとはどのようなものを測るのでしょうか?

pHとは、水溶液中の性質を測るための単位で、水溶液中の水素イオンのモル濃度と水酸化物イオンのモル濃度のとです。
つまり、水の中に溶け込んでいるあるイオンの濃度で酸性だったり、アルカリ性だったりするのです。
pHのことをわかりやすく説明しているサイトがあるので、詳しく知りたい方は是非見てみてください。(動画もありますよ)
→→→NHK高校講座

ここで重要なポイントは水に溶けているという状態でないとpHは測れないということです。
ですから、水に溶けない油などにはpHを測る術がありません。

ではここで話を皮膚に戻します。
皮膚はタンパク質でできています。

タンパク質は水に溶けますか?
髪の毛や皮膚片を水につけても溶けませんよね?

溶けたら怖いです!お風呂に入れません、、、

皮膚は水に溶けない!
ですので、水に溶けない物質をpHでは測れません。

よって、皮膚にpHは無い!という答えになるのです。

でもちょっと待って!!!

人間の肌は弱酸性!っていうじゃありませんか!
それは何のことを言っているのでしょうか?

ではその説明をします。

まずはpHの測り方の説明が必要です。
先程から言うように、pHを測るためには水溶液であることが最大の条件です。
測るためには機械で測ったり、試験紙で測る方法があります。肌で実験するのには安価で色の違いで見分ける簡単な試験紙が便利です。
<20141201162119907.jpg

まず、測りたい部分の皮膚の上に水を垂らします。
できればpHが7の中性で安定している精製水だとより正確です。
20141201162058611.jpg

少し待つ・・・・・

垂らした水滴の中に試験紙をつけてpHを測ります。

犬も人も測り方は同じです。
14166626950.png
14166626780.png
14166625990.png


上の写真のように、試験紙の色が変わるので、その色を見てpHを判断します。

ここで疑問がまた一つ。
この実験では何を測ったのでしょうか?
だって、皮膚は水に溶けません。
手順で ”少し待つ” というのがありました。
少し待って水に何を溶かしているのでしょうか。

勘のいい方はもうお気づきですか??

そうです!

皮膚の上の皮脂膜の中の水に溶ける物質を計測しているのです。

皮脂膜の成分は皮脂腺から出る乳液状の皮脂(脂肪酸)と汗腺から出る汗が混ざったものと、それを細菌類が分解した分解物などがあります。
皮脂膜の役割としては、外部からの刺激から皮膚を守ったり、内部の水分の蒸発を防ぐ役割をしています。
皮脂膜の厚さや成分は個体差があり、皮脂の分泌量、2つの汗腺のそれぞれの分泌量、細菌の種類とその分泌物、さらには、外気と触れているので、ホコリなどが付着し、皮膚の近い部分と外気に触れている部分でも若干成分が変わってきます。

実際に自分の体のあちこちを測ってみました。
わんちゃんの体のあちこちも測ってみました。

結果は一定したpHの数値は出ませんでした。
ある部分は酸性、ある部分は、アルカリ性、中性・・・

このムラのある結果は当たり前なのです。
なぜならば、先程も書いたように、成分は体の部分や外気の環境にもより変化します。
皮膚に近いところと、外気に触れる所でも、pHは変わってきます。

もともとpHの計測は大変難しく、量の多い水溶液を計測しても安定した結果を得ることは難しいのです。
ただでさえ安定しないpH値。皮膚の上に垂らした水滴の量、そして、外気に触れてホコリがついているかもしれない部分を水に溶かしたとしても、ホコリが溶けてpHに影響しているのかなんなのか、肉眼では見えないのでわからないのです。


しかし!
皮膚はケラチンというタンパク質でできている。これは事実
ケラチンというタンパク質は、酸性領域で引き締まり、アルカリ領域で膨潤するという性質があります。
ただし、強すぎる酸やアルカリでは物質が変質してしまいます。

皮膚の一番上の角質層はタンパク質でできた小さい細胞の集まりです。
一つ一つの細胞が引き締まり、隙間なくあることで外部の刺激から内部を守っているのです。
鎧の役割があります。

しかし、アルカリ性領域で膨潤していては外部からの刺激に負けてしまうかもしれません。

ですから、初めに書いたように、皮膚は弱酸性領域で安定した鎧を作ることができるのです。

もう一度書きます。

皮膚にはpHはありません!
がしかし、皮膚は弱酸性の領域で安定します。


これが私の答えです。

ですから、当店では弱酸性のシャンプーでバリア機能を守りながら、弱酸性のお水でさらに整えてあげています。
leaf dog は毛や皮膚の事を真剣に考えてシャンプーしているお店です\(^o^)/



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00 : 26 : 31 | ◆トリマーの勉強会 | コメント(0) | page top
トリミングをちょっと違う視点から考えるという事。
2014 / 08 / 07 ( Thu )
立秋になり、残暑が厳しい毎日ですが、夏バテしていませんか?
先日もブログに書きましたが、只今当店では子猫ちゃんを保護しておりまして、スタッフと交代で日々お世話をしております。
来店してくださるわんちゃんの画像がなかなかUPできずすみませんm(__)m


さて、2年前から東京のヴィヴィットグルーミングスクールというところへトリミングの勉強へ行かせてもらっています。
自分のレベルアップとして、JKCの資格試験と競技会での入賞を目指しています。

私がこの学校を選んだ理由として、指導内容が論理的だからです。
なんとなくこんな感じでカットするんだよ~ではなく、犬の骨格から毛の生え方、さらにはカットをする場合の面の構造のとらえ方がとても納得いくからです。

上手にカットするにはセンスも必要ですが、それだけでない、きちんとした理論があると思います。

学校で教わることは毎回毎回新鮮で、学ぶべき事がまだまだ山ほどあると痛感します。
20140807210645b3b.png

しかし、教わるだけではもったいない!
自分なりの理論を構築できないか・・・・
そして、私なりに色々と勉強してみました。

それは、「美しさ」についてです。
美しさと言うのはそれぞれ個人が感じる好みなどの差は多少なりともあるものの、絶対的美しさと言うのは、どんな人が見ても納得する。と言う事です。
なぜでしょうか?
それは脳に組み込まれたもので、人間のもつ本能といってもいいものがあるのだ!!!と、そう思いました。

例えば、絵画のモナリザ。
描かれている人物が美しい人かどうかは好みがあると思いますが、構造の美しさや人を引き付ける不思議な魅力はどうにも感情だけでは説明が付きにくいものです。
また、パルテノン神殿はどうでしょうか?
ただ柱が並んでいるだけのような建築ですが、ため息が出る美しさですよね。

この有無を言わさない美しさ。
それは構造の対比にあるのです。
黄金比と言います。有名ですね!!


この黄金比、犬のカットにもあるのではないか!?
そう思い、有名な先生方(プードルに限らず様々な犬種)がカットした写真に黄金比を当てはめてみました!

そしたらなんとなんと!!!!!!
恐ろしいほどに黄金比(1:1.618)なんです!!!!!!!!!


これはとてもとても凄い発見だ!!と自画自賛しているところです(笑)

そして、実際にプードルのカットで黄金比がどのように当てはまるのか、方眼用紙で書いてみました。

線を当てはめれば当てはめるほどに、驚きの連続です。

この下の絵がそうです。
20140807210616d5f.png
まずは胴体の黄金比(約5:8で計算)
床から肩までの高さを5とすると、胸の毛から後肢の引きがあり、後肢の毛の一番外側部分までが8になります。

8の2分の1にあたるところがパーティングラインと言われるところです。

また、胸の毛の先端からパーティングラインまでを5
肘から頭の毛の一番長い部分までを8とする事ができます。
それの2分の1の所に犬の顎の下がきます。

そして、黄金長方形を書き込むと、尾の丸の大きさや後肢の位置までもが現されています。


そしてそして、もう一つ。

○まる○という概念。
球体が美しいというのは、分かります。
でも、球状ではない、カーブは、どのようなものが美しいか。
そのカーブは 放物線やカテナリー曲線と言うものです。

放物線は物を投げたときのカーブであるのは有名ですね。
カテナリー曲線とは、紐を垂らしたときのカーブの事です。

実際にそのカーブを数式で表して表にしてみると、これまた大きな違いがあります。
球や円のカーブとはまた違うカーブです。
20140807210631c7b.png

私が思うのはカテナリー曲線がプードルのカーブによくあてはまるのでないかと思うのです。
もちろん球も必要な要素だと思います。

・・・・。えへっ

そんなこんなで、美しいトリミングを追及すると、建築や美術では当たり前である、人間が直観で感じる「美しさ」と言うものに行き当たりました。

まだまだこれは手始めだと思います。
私はまだこの美しいという感覚が先生方のように体に身についていないので、四苦八苦しています。
しかし、この理論がもっともっと深められ、研究されれば、きっとトリミング業界はさらに発展すると思うのです。(勝手な妄想です;)

なんとなくかわいいよね~
ではなく、理論的に説明のできるかわいさと美ししさ!

そんな人間の奥深くに眠る感覚に訴えかけられるトリミングができるようになりたい!
心底そう思うのでした。

しかし、やはり、これは机上の・・・。
実際に鋏でカットするのは、もっともっと鍛錬が必要なのでした。


先生、これからもご指導よろしくお願いいたしますm(__)m
リーフドッグに来てくださるお客様、私がこの美しさやかわいさの感覚をしっかり身に付け、表現できるようになるまで、長い目で見守ってくださればと思いますm(__)m

22 : 04 : 56 | ◆トリマーの勉強会 | コメント(0) | page top
6月はお勉強月間でした!
2014 / 06 / 27 ( Fri )
6月は沢山セミナーに参加してきました!

6月3日 中島かおる先生のプードルのトリミングアレンジ  (楢岡参加)
6月7日 中島かおる先生の難しいわんちゃんのコントロール方法   (石井・及川参加)
6月10日 ワンクス森社長のブランディングセミナー  (全員参加)
6月11日 ジャパンケンネルクラブ トリマー 義務研修 金子先生  (全員参加)
6月18日 ペティエンスメディカル 西原先生 皮膚基礎セミナー  (石井・及川参加)
6月19日 leaf dog の定例勉強会  (全員参加・及川発表者)
6月20日 ドッグフードセミナー 水上社長  (石井参加)


お店のお休みをいただいたお日にちもあり、大変ご迷惑をおかけいたしました。
どのセミナーもとても勉強になりました。
勉強したことをしっかりと活かしてまいります。






10 : 28 : 07 | ◆トリマーの勉強会 | コメント(0) | page top
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