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爪の話 第6話・・・爪の形
2014 / 06 / 12 ( Thu )
わんちゃんの切った後の爪を保管してじろじろ見てにやにやしている、爪好き石井です\(^o^)/

さて、今までさんざん爪について書いてきましたが、今回でなんと6回目・・・
でも、まだまだお話したいこと、いっぱいあるのです。

今回のお話は爪の形状と湾曲のお話をしたいと思います。

前回も少し触れましたが、爪は指の末端骨に巻きついており、巻きついた爪は地面に向かって湾曲して伸びています。
沢山のわんちゃんの爪を観察していると、爪の湾曲の程度には色々あるのに気が付きました。
指の肉に沿って強い湾曲の爪、反対にあまり湾曲せず、なだらかな曲線の爪もあります。
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なぜ爪の湾曲には差がでるのでしょうか?

この質問には解剖学で有名な浅利教授と大石獣医師にお答え頂きました。
先生ありがとうございます!!!

爪の湾曲にはさまざまな事が関係してくるそうです。
栄養状態、骨格、外力(歩き方の癖や生活環境によるもの、歩く地面の質など)

まずは栄養状態ですが、
爪はタンパク質からできています。
タンパク質を体内で十分に作ることができなかったらどうでしょう。(栄養状態が悪かったらどうでしょうか・・・)
爪の硬度や密度に影響してきます。

次に骨格
骨格は犬種によっても大きく変わってきます。
また、同じ犬種でも骨格の安定したわんちゃんからそうでないわんちゃんもおります。
爪は末端骨に巻きついているので、骨の形状が変われば爪にその影響が大きく出ます。
末端骨の形状をよく見てください。
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わずかにカーブしていますよね、
このカーブがきつければ、爪のカーブもきつくなるようです。
末端骨の長さも関係してきます。


最後に外力です。
外力とは文字通り外から加わる力の事です。
硬くよく滑る地面と、しっかり指に力が入るある程度の柔らかい地面か、それとも硬く爪が削れるようなざらざらした地面か・・・爪に加わる力は同じですか?

もし、これが骨の形成が完全でない仔犬が歩く地面だった場合、
または、地面はみな同じでも、爪が常に極端に長い状態であり続けた場合、
もしくは、爪に何らかの影響が加わる病気にかかっていた場合、(内部からか、外部からか・・)
年齢により、パッドの張りがあるわんちゃんと、張りが失われてしまっているわんちゃんの場合、
などなど・・・
それぞれ、爪に加わる力はみんな違ってくると思うのです。
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さて、そう考えると
爪の湾曲や形状は様々な影響で変わってくるようです。
生まれつきの形の違いだけでなく、生活環境による様々な影響によって爪は変わるのかもしれません。


もう一つ。

爪は皮膚が変化したものです。
皆さんは赤ちゃんの頃と、20代、50代、70代・・・どの年代も同じ皮膚の状態を保っていますか??
そんな人、いませんよね。

爪も同じです。

栄養が悪かったり病気をすることでも爪の硬度や柔軟性は変わりますが、老化も大きく関わってきます。

若いわんちゃんは硬くてもみずみずしく柔軟な爪をしていますが、
年齢を重ねたわんちゃんは、水分量が少なく、カサカサしていたり、割れやすかったり、外側の壁の層が薄くなったり・・・様々な影響が出てきます。
もちろん影響は壁部分だけでなく、内部の真皮部分であったり、血管部分であったりします。
伸び方や伸びる速度もそれぞれの指で変わっていきます。






あれれ?
そうすると・・・。
爪は一匹一匹みんな形状が違うのではないですか?!

爪の湾曲、硬度、柔軟性、伸び方、削れ方、真皮部分の柔らかさ、弾力、水分量、厚み、血管部分の太さ、長さ・・・などなど・・・


それだったらみんな同じ切り方、同じ長さでいいのでしょうか?!
また、同じ道具でいいのでしょうか?!

いいえ。私はそうは思いません
それぞれの歩き方の癖、内側の指の爪か、外側か、真ん中か・・、
さらには生活環境、栄養状況、既往症、年齢、爪を切る頻度・・・色々な事を考えて爪をカットしてあげるのがベストだと思います。

さて、カーブがきつい場合と、そうでない場合の爪の切り方ですが、
先程もお話したように、10匹10通りの爪の切り方があるので、これから紹介するのはほんの一部です。


一つは爪の巻がきついバージョンです。
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よく観察すると、巻がきつい爪は伸び方も筒状に伸びていきます。
爪底は分かれることなく、くっついた状態です。
ですので、長く伸びている場合は、まずは輪切りにします。
そのあとで角をこまめに落とし、丸くしていきます。
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角を落とすポイントは、爪の繊維に沿って刃を当てる事です。
爪底部分はとてももろいので、爪切りでボロボロになる場合はヤスリを使用します。


次にカーブがきつくない場合の爪です。
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爪底部分が分かれているのがポイントです。
ですので、まず一番壁が分厚い上部を切ります。
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次に、角を落としていきます。
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両方の切り方に言える事ですが、長く伸びている場合には一度バッサリと輪切りにします。
しかし、あまり伸びていない場合、又は、血管付近を切る場合はできるだけ輪切りではなく、爪の繊維に沿ってスライスするのがベストだと思います。

ほとんど伸びていない場合は無理に爪切りではなく、ヤスリだけで削るのがいいと思います。

また、角を落とせるわんちゃんと、落とせないわんちゃん、落とさない方が良い場合のわんちゃんがいます。
何度も言うようですが、10匹10通りなので、それぞれに合わせてカットの仕方を変える必要があると思います。
それぞれの話はまた時間のある時に書きたいと思います(^_^;)



今回このブログを書くにあたり、宿題を出して頂いた中島かおる先生、かおる先生とつなげてくださった中島秀輔さん、ありがとうございますm(__)m

また、爪の構造と湾曲について教えてくださった、解剖学のエキスパートである浅利教授、大石獣医師、本当にありがとうございます。


余談ですが・・・
大石先生がおっしゃっておりました、
馬の装蹄関係の方も、やはり蹄鉄のすり減り方を見て、走り方の癖や足にかかっている力を予測して、馬の爪(正しくは蹄)を削り蹄鉄の付け方や形を工夫されているのですよ!と教えてくださいました。

お馬さんが蹄鉄を付ける必要がある理由を知ると、なるほどね~と思う部分が沢山ありました。


犬も馬も、人がかかわりを持つと決めたのだから、人が細かいケアをしていく必要があるのだと、改めて思いました。



それと・・・実はまだかおる先生からの宿題がまだ残っています。
その内容はまた次回に書きますね(^_^;)
爪って奥が深いですね~


参考:浅利昌男先生、大石元治先生のご指導
   ベテリナリー・アナトミー(出版元 インターズー 監訳 浅利昌男先生)
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