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シャンプー理論(4) 表面張力の実験
2014 / 04 / 11 ( Fri )
さて、前回の表面張力のお話の続きです!
今回は実際に表面張力を見てみたいと思います!




実際に濡れているという状態を見てみよう!

ステンレスの上に水をたらしました。だいたい同じ量です。
こんもりと水がお山になっていますね!
一生懸命水は小さくなろうとしています。これが表面張力です。

123456.png



そこにシャンプー(界面活性剤)を入れてみます。
 ※比較のため、左側の水には水を足すします(白いノズル)、右側の水にはシャンプーを入れます。(緑色のノズル)
456789.png

じゃーーーーーーん!!
789456.png

右の水は変化ありませんね。
左はどうでしょう??
でろ~んと流れてしまいました。

界面活性剤の働きにより、表面張力、つまり、水が表面積を小さくしようとする力を奪ったのです。







と、いうことは???

わんちゃんをシャンプーしようとするとき、まず、体を濡らしますよね?
一生懸命水(お湯)だけで濡らそうとしていませんか?
それでは水の表面張力が邪魔してなかなか濡れません。
汚れは水に溶けた界面活性剤が包み込んで落としてくれますよね?
シャンプーの界面活性剤を毛や被毛に付いた汚れに付着させなければ意味がありません。
ですから、皮膚や被毛をしっかり濡らすことはとっても重要なのです。

では・・・・??
どのようにシャンプーしてあげますか??

答えは簡単ですよね(いじわる~?


簡単な実験ですので、やってみてくださいね
10 : 47 : 07 | ◆トリマーの勉強会 | コメント(0) | page top
シャンプー理論(3)  
2014 / 04 / 08 ( Tue )
前回までは界面活性剤のお話でしたが、今回はお水の話。

シャンプーには欠かせないもうひとつの物質。それが【水】です。

水とはどのような物質でしょうか?
H₂O つまり、二つの水素原子と一つの酸素原子でできている分子ですね。

水は固体(氷)、液体(水)、気体(蒸気)に変化する性質があります。
これらの状態に応じて内部にエネルギーを蓄えています。

シャンプーでは液体の状態で使用します。
ですので、今回は液体である水について考えたいと思います。

そして、一番重要な問いです。「水はなぜ濡れるのか?」を考えます。


「界面張力」と「水の表面張力」
が関係しています。
界面張力とは
異なる相や物質同士が接している部分に働く力のこと。
 
 コップのガラスと水の触れている部分、空気と水の触れている部分といった感じです。

表面張力とは
界面張力の一種
表面積を小さくしようとする力のこと。
H₂O分子はファンデ・デール・ワールス力<りょく>(凝集力・引力)と、水素結合によって引き合い安定化しています。
 
 つまり、水は表面積の一番小さい円になろうとします。
 そして、分子がばらばらにならないようにくっつこうとします。

「濡れ」という現象には3つの相が関係します。
yws 水と固体との相   
yw  水と空気との相
ys  固体と空気の相

ヤングの式

そして、「濡れ」には、「拡張濡れ」「浸漬<しんし>濡れ」「付着濡れ」があり、違いは図のθの角度です。
拡張濡れは θ=0°   界面活性剤を入れたとき、接触角がほぼ0に近い常態になります。
浸漬濡れは 0°<θ<90°
付着濡れは 90°<θ   テフロン加工されたフライパンの上にたらした水の状態、ほぼ球状に近くなります。
濡れの接触角度



濡れの接触角と表面張力の関係はヤングの式を使うことができます。
    ys=yws+yw cosθ


拡張濡れは・・・S=拡張係数 S=ys-yw-yws

        固体基質の表面張力ys > 液体の表面張力yw および 液体/固体の基質の界面張力yws
であるとき、濡れが広がりやすい
        液体中に界面活性剤は存在するとywとywsは小さくなる。よって拡張濡れを推進する方向に作用する。
拡張濡れ

浸漬濡れは・・・wi=浸漬仕事 wi=ys-yws
液体の表面張力ywは関係ない
        固体基質の表面張力ys と 固/液の界面張力ywsとの関係
        固体基質の比重により大きく左右される
浸漬濡れ

付着濡れは・・・W=濡れ仕事 W=ys+yw-yws
ys+yw>yws

Wが正の値をとれば濡れが進行する
        接触角θが180°より小さいという条件下では表面張力が大きい方が付着濡れは起こりやすい
付着濡れ
上の図の・・・●固体の物質の上に載っている水です。
       ●円の内側に向いている矢印は表面張力を表しています。
       ●横の長い線は固体の物質で、その下にある下に向いている矢印は、固体自体が内側に働く力があり、水とまじりあわないようになっています。
       ●分子同士がしっかり結合しています。水と仲良くしたくない力、界面張力が強い状態です。
       ●固体物質と水との間に働く力の大きさは、固体の原子量・分子量によって異なる。  



次は実際に表面張力の実験をしてみます!


参考資料:横浜国立大学教育人間科学部 大矢勝教授 HPより
20 : 01 : 07 | ◆トリマーの勉強会 | コメント(0) | page top
シャンプー理論(2)
2014 / 04 / 06 ( Sun )
勉強シリーズ 今回は界面活性剤の種類についてです。

界面活性剤の性質で大きく4種類に分けることができます。

1、陰イオン界面活性剤(アニオン界面活性剤)
   水中で界面活性剤本体が陰イオンになる

2、陽イオン界面活性剤(カチオン界面活性剤)
   水中で界面活性剤本体が陽イオンになる

3、両性界面活性剤
   水溶液中のpHによって界面活性剤本体が陰イオン・陽イオン・陰イオンと陽イオンの共存状態といった変化が生じる

4、非イオン界面活性剤(ノニオン界面活性剤)
   水に溶解してもイオン性を示さない


種類別、代表的な界面活性剤は以下の通りです。

1、陰イオン界面活性剤(アニオン界面活性剤)
1-1 セッケン(脂肪酸系) R-COONa R-COOK
1-2 アルキルベンゼンスルホン酸塩(ABS,LAS) R-[benzene]-SO₃Na
1-3 高級アルコール硫酸エステル塩(AS) R-O-SO₃Na
1-4 ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(AES) R-O(CH₂CH₂O)n-SO₃Na
1-5 αスルホ脂肪酸エステル(α-SF) R-CH(SO₃Na)-COOCH₃
1-6 αオレフィンスルホン酸塩 R-CH=CH-(CH₂)n-SO₃Na R-CH(-OH)-(CH₂)n-SO₃Na
1-7 モノアルキルリン酸エステル塩(MAP) R-OPO(-OH)ONa
1-8 アルカンスルホン酸塩(SAS) R-SO₃Na

  ご覧の通り、プラスイオンですね。
  1-4は、シャンプー剤や台所洗剤の成分として用いられます。
  1-7は、皮膚へのダメージが少ないので、化粧品や身体洗浄剤に用いられます。


2、陽イオン界面活性剤(カチオン界面活性剤)
2-1 アルキルトリメチルアンモニウム R-N⁺(CH₃)₃Cl⁻
2-2 ジアルキルジメチルアンモニウム塩 R₂N⁺(CH₃)₂・Cl⁻
2-3 アルキルジメチメルベンジルアンモニウム塩 R-N⁺(CH₃)₂(-[benzenel])・CH⁻
2-4 アミン塩系 [R-NH₃]⁺・[CH₃COO]⁻  (R-COO-CH₂CH₂)₂NCH₃・HCl

  こちらはマイナスのイオンですね。
  2-1は、ヘアリンス剤や帯電防止剤に用いられます。
  2-3は、塩化ベンザルコニウムとして殺菌・消毒として、また、ヘアリンス剤に用いられます。


3、両性界面活性剤
3-1 アルキルアミノ脂肪酸塩 R-NH-CH₂CH₂COONa →R-N⁺H₂-CH₂CH₂COO⁻
   (酸性で陽イオン、アルカリで陰イオン、帯電点付近で両性イオン)
3-2 アルキルベタイン(アルキルカルボキシベタイン) R-N⁺(CH₃)₂CH₂COO⁻
   (酸性で陽イオン、中性以上で両性イオン)
3-3 アルチルアミンオキシド R-N⁺(CH₃)₂O⁻

  3-1は、弱酸弱塩基型で、pHによってイオン性変化。シャンプー・殺菌剤・帯電防止剤・柔軟剤に用いられる
  3-2は、皮膚・目に対して低刺激。起泡力を高める。
  3-3は、たんぱく質変性を防ぐ、起泡力、洗浄性を高める。


4、非イオン界面活性剤(ノニオン界面活性剤)
4-1 ポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE) R-O-(CH₂CH₂O)n-H
4-2 ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル(アルキルフェノール(ポリ)エトキシレートAPE)
   R-[benzene]-O-(CH₂CH₂O)n-H
4-3 アルキルグルコシド(AG) R-O-[glucose]
4-4 ポリオキシエチレン脂肪酸エステル
   モノ脂肪酸エステル R-COO-(CH₂CH₂O)n-H
ジ脂肪酸エステル R-COO-(CH₂CH₂O)n-CO-R
4-5 ショ糖脂肪酸エステル R-COO-[sucrose]
4-6 ソルビタン脂肪酸エステル R-COO-[sorbitan]
4-7 ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル R-COO-[sorbitan]-((CH₂CH₂O)n-H)m ※m=1~3
4-8 脂肪酸アルカノールアミド R-CON(CH₂CH₂OH)₂

  4-3は、皮膚への作用等が穏やか
  4-4は、低毒・低刺激性の乳化剤、分散剤等として化粧品等に用いられる。
  4-8は、シャンプー、台所用洗剤の増粘剤・増泡剤として用いられる。毒性低い。


化学式を見比べると、それぞれ違いがわかりやすいですね!

界面活性剤を分類しましたが、それぞれの分類でも得意不得意があり、さらに細かく分けると、それはそれでまた得意不得意があります。



また、シャンプーなどの洗浄のできる界面活性剤の分類で

 アミノ酸系  石油系  高級アルコール系

などというのがありますが、これは界面活性剤を作る過程で、何を使って作ったか?です。


それから、これは、十分に注意しなければならないことですが、
アニオン界面活性剤だから良い、悪い、
ノニオン界面活性剤だから良い、悪い、
アミノ酸系だから良い、悪い、・・・
というのではないことをきちんと理解していただきたいのです!!

得意不得意があるので、要は何に何を使うか??です。

非常に脱脂力が強く、皮膚刺激性のある界面活性剤を洗顔には使いません。
工業用であったり、ほかの用途で十分に力を発揮します。


また、洗顔剤ひとつとっても、お化粧をばっちりした肌と、お化粧をしていない肌とでは、同じ洗浄力の洗剤で洗って良いわけがありません。


さて。
わんちゃんでは・・・
一年間シャンプーをしていない体と、4週間に一回シャンプーをしている体のわんちゃん。
同じシャンプーで良いわけがありません。

何に何を使うか?・・・

leaf dog ではさらに、同じシャンプーでも量を変えたり、洗う方法を変えています。
10頭いたら10通りがleaf dog のシャンプーです。






参考資料:横浜国立大学教育人間科学部 大矢勝教授 HPより
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